鈴木のブログ

病気と子育てで頭がいっぱいなワーキングマザーのブログです。

手術当日のこと②

2015年12月10日、幽門輪温存膵頭十二指腸切除術って手術を受けました。

どんな手術かは幽門輪温存膵頭十二指腸切除術ってやつ - 鈴木のブログ

で書いたけども、とりあえず十二指腸と胆のう全部と膵臓半分くらい、なくなりました。ちーん。

 

手術日のことを覚えている範囲で。

手術後目覚めるところまでは手術当日のこと① - 鈴木のブログで書いたので、ICUに運ばれてからのことです。

[序章]子宮筋腫の開腹手術を受け、その後1人目を帝王切開、二人目を自然分娩で産んだ職場の先輩に術後がいかにつらいかは聞いていた。お互い自然分娩を経験しているので、陣痛とどっちがつらいかとか。その時の結論は陣痛はみんな叫んでいるけど、術後は叫んでいる人いないから陣痛の方がつらいんだ、きっと、ということに。はたして?

 

6:30PMくらい ICUに着いて、、キョロキョロキョロ。いろいろ整えられた?覚えてないな。でもすぐに両親が、来た。「大丈夫か~?」と。ぜんぜん、ぜんっぜん大丈夫じゃないけど、とりあえずうなずく。執刀医から説明があったようで「手術は成功だって」と。じゃなきゃ困るし。後で聞いたら、あたしは「痩せているので、出血もなく(輸血なし)術野も見やすく、非常にやりやすいオペだった」とのこと。好きで痩せているわけではないが、痩せていてよかった。続いて旦那がくる。涙目?あぁかわいそうだなって思った。反対の立場だったら、あたしも泣いていたかもしれない。とりあえず足をバタバタしたり手も動くし、それを見て安心した様子。「(娘の)熱は下がった?」と言葉を発したら、普通に声が出た。でもなにか太いものがのどにあったような感じがして、若干たんが絡む。旦那も1分くらいで帰った。

 

7:00PMくらい 比較的頭がクリアだった気がする。執刀医の先生と、もともと病気を見つけてくれた内科の先生が来た。内科の先生「ひとやま超えたねー」私「これでよくなるだけ?」先生「そうだね」ホッとした。内科の先生は入院した日から、貧血でぶっ倒れて絶対安静になった日、しびれや顔面麻痺が悪化してまともに話せなくなった日、足に力が入らなくて歩けなかった日、外泊がダメになって娘に会えず泣いていた日、全部を知っているので外科の先生とはまた違う心の開き方ができた。

外科の先生とは、なんと同郷だったので「●●の餃子はいつ食べられる?」と聞いたら、「▲▲じゃなくて?」「うん、●●派なの」というどうーでもいい雑談をして、「(術後なのに)しっかりしてるねー!クリスマスには餃子いける」という希望の光をもらった。手術前から大好物のラーメンと焼肉はいつ食べられるかをしつこく聞いていたので(しばらく忘れて、と一喝されたけど。)、とりあえず餃子はいいのかーと思った。

 

7:30PMくらい 誰もいなくなって、いよいよ夜が始まった。聞いていた通り、不快感がたくさん。職場先輩のアドバイス通り、不快感は訴えることにする(笑)ICUの看護婦さんも手術の前日にあいさつに来てくれて、眠るためになんでもすると言ってくれたし。

不快感1:寒さを訴える人が多いらしく、電気毛布が足元に用意されていたけど、私は暑かった。よって、まずアイス枕をもらう。

不快感2:鼻の管がうざい。酸素マスクがうざい。いつ取れるのか看護婦さんに聞くと、鼻の管は明日にはとれるかなーと。少し安心。酸素マスクは本当は20時までだけど取るねととってくれた。

不快感3:身動きが取れずベストポジションが見つからない。まだ痛みはまだないけど、おなかから4本の管(臓器をつなぎ合わせたところから液体が漏れるらしくそれを排出してる)に加えて、首に太い点滴、尿道におしっこの管でまったく身動きとれず。寝返りするときはナースコールと言われてもなんだかなぁって感じでもぞもぞするも落ち着かない。最後はあきらめる、って感じ。

不快感4:急に吐き気。「はくー!」と叫んでいそいで看護婦さん来て桶?もらって、痰みたいな重さの赤いものを吐いた。「なんじゃこりゃー」と言ったよね、あたし。でも胃と腸、膵臓と腸、肝臓と腸?をつないだばっかなんだから血くらい吐きそうと妄想した。

不快感5:ICUってうるさい。すごく近くに看護婦さんがいるから、足音、話し声、周りの患者さんのぷしゅーっていう酸素の音?早く部屋に帰りたいと思った。うとうとっとしても起こされちゃう感じ。

 

9:00PM いつの間にかうとうとしたのか、消灯時間。もともと消灯時間に使おうねって言ってた眠剤は点滴から入れてもらう。枕も自分のだし、眠れるといいな。

 

9:30PM  んなわけない。ついに痛みがやってくる。痛い痛いと聞いていたからか「なんか痛いかも」レベルなんだけど、痛くなるんじゃないかという不安も強くて、自分でプシュってする腰に入っている麻酔とは別に鎮痛剤1つ目を点滴。うとうとする。

 

10:30PM 痛い!気がするんじゃなくて痛い。鎮痛剤2つ目。しかもこれが合わなかったのか、なんだかより激痛、特に左の管のところが痛くて、これが痛いとここが痛いと騒ぐ。先生に確認すると電話をする看護婦さん。早く次の薬ほしい!

 

11:00PM  痛い痛いと騒いで座薬投入。痛いのは収まってうとうと。ここで気付く。陣痛より全然辛いことに。

陣痛は休みがあるし、なにより叫べるには元気だから。術後はどんなに痛くとも叫ぶ力はどこにもなく「いたい」とつぶやくに近い。

 

12:00AM 痛いのは収まっているが眠れないので強めの鎮痛剤なのか眠剤かを投入。「こんなにたくさん薬もらっていいの?」と聞いたら「種類をかえればいいんです」とのこと。この薬が効いて2時間眠れた。

 

2:00AM 目覚める。痛くはない。このまま熟睡することなくうとうと朝まで。これから2日くらいずっと眠くて、でも眠れなくて、うとうとしている状態だった。

 

6:00AM 明るくなってきたことに、夜を越えたと少しうれしくなる。

 

7:00AM 体をふかれて、ネグリジェに着替えさせられたような。たぶんこのタイミング。管がたくさんで普通のパジャマは着られないってもっとずっと前におしえてほしかったと思う。だから術後患者さんは浴衣をきている人が多い。浴衣もそこそこの値段だったしもう着ることないし(そう願う)ということで、お母さんが出産のときに着た花柄のネグリジェを着る。自分がお産のときは買わなかったことをこんなところで後悔した。

 

8:00AM 念願の鼻の管が取れる。胃まで入っていたらしく、その長さに驚く。同時に若い先生のイケメンさにも驚く(今まで気づかなかった。笑)。だいぶすっきりしたものの、身動きが取れないことには変わりない。

 

10:00AM そのままのベッドで自分の部屋へ。ICUよ、さようなら。

 

術後1日目が始まった。

術後1日目。敵は夜にやってくる。 - 鈴木のブログ