ある日、病院に行くねとばいばいしたら、そのまま帰ってこなくなった母親。週末、抱っこ紐に入れられて病院を訪ねる日々が始まった。
病院から帰るとき、決まって泣いてしまうだめな母親とは反対に、笑顔で手を振ってくる娘。
娘は、夜寝る時も朝起きた時も保育園に行くときも、いつもニコニコしていて一度も泣かなかったらしい。それが「無理しているようで泣ける…」と旦那が言っていた。
幸か不幸か入院の1週間前に卒乳し、朝までぐっすり眠れるようになっていた。寝かしつけも絵本を読んで、電気を消して隣に寝るだけ。料理上手な義母や義理の妹が作るおいしいご飯をたくさん食べて、大好きな保育園に毎日通って、早く帰宅できれば旦那とお風呂に入って、、、私の心配とは裏腹に本当に元気に過ごしてくれた。
手術前に1泊だけ許された外泊中には一緒にクリスマスツリーを飾った。年内の退院はあきらめていたから、せめてもの親子の時間だった。
途中、旦那が姿を消すとすごく不安そうな顔をした娘。本能的に今の母親じゃ自分を守ってくれないとでも思っているかのような顔だった。母親が弱っている今、頼りになるのは父親だけとでも思っていたのかな。。
翌日、娘の昼寝中にこっそり病院に戻ったけど、「目が覚めたとき、さみしい思いをするんじゃないか」と涙が止まらなかった。お義母さんに「またしばらくよろしくおねがいします」と言った。
母親がいない子供にするわけにはいかない
入院中は、この気持ちがすべてだった気がする。自分も本当に甘えん坊で、出産のときもお母さんべったりだったし、今回の入院でも、術後のつらいときは泣きべそで「泊まってってぇ…」とわがまま言ったりした。だから自分の娘にも同じくらいのことはしてあげたいのだ。
ずっと元気だった娘も何かを察知したのか、手術日前々日から39度以上の熱を出し始め、旦那を慌てさせた。手術当日も保育園には行けず、実の父、母、旦那、義父が交代で、娘の看病と手術の付き添いをした。
手術が終わってICUに運ばれて少し経つと、まずお父さんとお母さんがそれはそれは心配そうな顔で面会に来た。話す気力はなくうなずいて、とりあえず生きてるアピール。続いて旦那が泣きそうな顔で現れる。「とりあえず動いてる母ちゃん見れてよかった」と言った。私は「(娘)熱下がった?」と聞いた。母は強し。
手術は木曜日だったから、本来ならその週末には娘がお見舞いに来てくれるはずなんだけど、しんどすぎて「連れてこないでくれ」と頼んだ。術後の3,4日は誰にも会いたくなかった。
翌週末の土曜日、旦那が娘を連れてきた。若干、忘れてた?みたいなうすい反応(苦笑)。娘におなかの大きな傷口を見せると「いたいいたい」としかめっ面をした。それからいつも乗り上げてくるおなかに乗ってこなくなった。今でもおなかを指さして「いたいいたい」と言ってくる。
退院の日、それは予想よりうんと早くやってきた。12月24日!結婚記念日!!
病室にやってきた娘。私と旦那があいさつに行くのに娘を置いて病室を出ようとしたら、突然の大号泣。結局挨拶まわりをあきらめるくらい泣いてました。また置いて行かれるとか思ったのかな。。
退院後は娘と私の実家に滞在。昔はなかった後追いがあったり、姿を消すと全力で探しに来るし、夜寝るときは私の首にしがみついて寝るのは、気のせいかもしれないけど、やっぱり一か月半の母親不在の影響…?
本当、がんばったね。ありがとう、娘。